ビッグデータとAIの基礎知識と活用法:ビジネスや社会に役立つ技術
ビッグデータとAIは、近年注目されている技術です。しかし、どのように活用すれば良いのか、どんなメリットがあるのか、分からない方も多いのではないでしょうか。
この記事では、ビッグデータとAIの基本的な概念から、活用方法やメリットについてわかりやすく解説します。
ビッグデータとは?
ビッグデータとは、一般的に以下の3つの特徴(3V)を持つデータのことを指します。
- Volume(膨大な量)
- Velocity(高速な発生速度)
- Variety(多様性)
つまり、目まぐるしく蓄積される、多種多様なデータ群と言えます。
ビッグデータには、電子メールやSNSの投稿内容、音声、動画、画像、Web上での行動履歴、位置情報など多様なものが含まれます。
従来の表計算ソフトなどでは分析が困難でしたが、AIの技術を用いることで、そのようなビッグデータも効率良く整理し分析することができるようになりました。
ビッグデータとは?意味やメリット、活用事例などを一気に知りたい方は以下をご覧ください!
ビッグデータって何?その意味や特徴・事例・メリット・課題・ポイントをわかりやすく紹介
AIとは?
AIとは、Artificial Intelligenceを略した言葉で、日本語では「人工知能」とも呼ばれています。AIの定義は研究者や機関によって異なりますが、基本的には以下のような意味合いで捉えておくと良いでしょう。
「人間の知能を人工的に再現し、さまざまな判断や振る舞いを可能にするシステムのこと」
利用シーンにもよりますが、一般的にAIが高い精度で判断を行うためには、データによる学習が必要となります。
例えば、AIが搭載された顔認証システムでは、まずAIに膨大な顔の画像データを読み込ませます。AIはこのたくさんの画像データから、顔の特性やパターンなどを学び、個人の顔を判別することができるようになります。
このように、
- 学習過程でデータの中から規則性・特徴を見つけられること
- その規則性や特徴を使ってデータについての判断を行えること
などがビッグデータの解析にも役立っています。
AIについて詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください!
AIができることとできないことを徹底解説!活用事例や将来性も紹介
ビッグデータとAIの関係性
ここまでの説明でも分かるように、ビッグデータとAIは、それぞれがお互いを必要としています。
- 日々量産され続ける、種類も形式も多様なビッグデータを効率良く分析するためにはAIの技術が必要
- AIにとっても、学習教材となるビッグデータはより精度の高い判断を行うために欠かせない存在
学習によって精度の高いデータ解析が可能となったAIを用いてビッグデータを解析することで、これまでになかった視点から、そしてこれまでよりスピーディーにデータを読み解くことができるようになってきました。
このことは、例えば次のようなことに役立っています。
- SNSやレビューサイトから得られるデータに基づいたマーケティング
- 機器類の動作状況のデータから故障の予兆を検知・予防
- ECサイトでの購入履歴や顧客の属性データに基づいたレコメンド表示
- 日々の売り上げデータや気象情報に基づいた需要予測
などです。ビッグデータとAIは相関するものであり、両者をうまく利用することでビジネスチャンスに繋がるということが少しイメージしやすくなったのではないでしょうか。
ビッグデータとAIの活用方法
ビッグデータとAIを活用する方法は、業種や目的によってさまざまですが、大きく分けると以下の3つのステップがあります。
- データ収集
- データ分析
- データ活用
データ収集
データ収集とは、ビッグデータとAIを活用するために必要なデータを集めることです。データ収集には、以下のような方法があります。
- Webサイトやアプリなどからユーザーの行動履歴や属性情報を取得する
- センサーなどから機器や環境の状態や変化を取得する
- アンケートやインタビューなどからユーザーの意見や感想を取得する
- SNSやレビューサイトなどからユーザーの口コミや評価を取得する
などです。データ収集には、適切なツールやシステムを導入することが重要です。
例えば、Webサイトやアプリからデータを収集する場合は、GoogleアナリティクスやFirebaseなどのサービスを利用できます。また、センサーからデータを収集する場合は、IoTプラットフォームやクラウドなどの技術を利用できます。
データ分析
データ分析とは、収集したデータをAIによって処理し、有益な情報や知見を得ることです。データ分析には、以下のような方法があります。
- ディスクリプティブ分析:過去や現在のデータを整理・要約し、現状の把握や問題点の発見を行う
- プレスクリプティブ分析:過去や現在のデータから因果関係や相関関係を探求し、原因や背景を理解する
- プレディクティブ分析:過去や現在のデータから傾向やパターンを抽出し、未来の予測や推測を行う
- プリスクリプティブ分析:過去や現在のデータから最適な方策や行動を導出し、意思決定や実行支援を行う
などです。データ分析には、適切なツールやシステムを導入することが重要です。
例えば、ディスクリプティブ分析やプレスクリプティブ分析を行う場合は、ExcelやTableauなどのソフトウェアを利用できます。また、プレディクティブ分析やプリスクリプティブ分析を行う場合は、PythonやRなどのプログラミング言語や、TensorFlowやPyTorchなどのAIフレームワークを利用できます。
ビッグデータの分析手法についてわかりやすくまとめた記事は以下をご覧ください!
ビッグデータ分析の手法と活用事例、初心者でもわかる基礎知識
データ活用
データ活用とは、分析したデータをもとに、ビジネスや社会に役立つ価値を創出することです。データ活用には、以下のような方法があります。
- データビジュアライゼーション:
分析したデータをグラフやチャートなどで視覚的に表現し、わかりやすく伝える - データドリブンマーケティング:
分析したデータをもとに、顧客のニーズや嗜好に合わせた商品やサービスの提供や広告の配信を行う - データドリブンイノベーション:
分析したデータをもとに、新しい価値やソリューションを生み出す - データドリブンガバナンス:
分析したデータをもとに、社会的な課題や問題に対処する
などです。データ活用には、適切なツールやシステムを導入することが重要です。
例えば、データビジュアライゼーションを行う場合は、Power BIやGoogle Data Studioなどのサービスを利用できます。また、データドリブンマーケティングを行う場合は、Google AdsやFacebook Adsなどのプラットフォームを利用できます。
データドリブンマーケティングについて解説した記事は以下をご覧ください。
データドリブンマーケティングとは?効果的な施策を実行するためのステップと注意点
ビッグデータとAIのメリット
ビッグデータとAIを活用することで得られるメリットは多岐にわたりますが、代表的なものとして以下のようなものが挙げられます。
- 精度の高い判断や予測が可能になる
- 時間やコストの削減が可能になる
- 顧客満足度やロイヤルティの向上が可能になる
- 新しい価値やソリューションの創出が可能になる
これらのメリットは、ビジネスだけでなく、教育、医療、農業、環境、防災など様々な分野で実現されています。例えば、
教育では、ビッグデータとAIを用いて個々の学習者の能力や進度に応じた最適な学習コースを提供するパーソナライズドラーニングが注目されています。
医療では、ビッグデータとAIを用いて患者の健康状態や病歴から最適な診断や治療法を提案する診断支援システムが注目されています。
農業では、ビッグデータとAIを用いて気象情報や土壌情報から最適な作物の栽培や収穫時期を予測するスマート農業が注目されています。
環境では、ビッグデータとAIを用いて温室効果ガスの排出量や気候変動の影響を分析し、環境保護や減災に役立てる環境モニタリングが注目されています。
防災では、ビッグデータとAIを用いて地震や津波などの自然災害の発生や被害を予測し、早期警戒や救助活動に役立てる防災情報システムが注目されています。
ビッグデータとAIは、私たちの生活や社会に多大な恩恵をもたらしています。
ビッグデータ活用の様々な企業の事例を紹介した記事は以下をご覧ください。
ビッグデータ活用でビジネスチャンスを広げる!12業界の事例から学ぶ活用のコツ
まとめ
この記事では、ビッグデータとAIの基本的な概念から、活用方法やメリットについて解説しました。ビッグデータとAIは、それぞれがお互いを必要とし、相乗効果を発揮するものです。
ビッグデータとAIをうまく利用することで、ビジネスや社会に価値を創出することができます。ビッグデータとAIは、今後も進化し続ける技術であり、その可能性は無限大です。
ぜひ、この記事を参考にして、ビッグデータとAIの世界に触れてみてください。
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