データサイエンスとITはどう結びつく?その基本とデータサイエンティストの役割

データサイエンスとITはどう結びつく?その基本とデータサイエンティストの役割

IT業界とは

IT業界とは、インターネットやコンピューターを活用した情報技術(Information Technology)をユーザーに提供する業界のことです。別名「情報通信産業」とも呼ばれるIT業界は職種の種類やサービスの幅が広く、大まかには以下の5つの業界に分けられます。

  • 情報処理サービス業界:クライアントから依頼を受けたシステムに関して企画から保守・運用までを行うことが主な仕事。SI(システムインテグレーション)業界とも呼ばれる。
  • インターネット/Web業界:WebサイトやWebアプリなどインターネットを通じて商品やサービスを提供する業界。ポータルサイトやSNS、動画配信などが代表的なサービス。
  • ソフトウェア業界:パソコンやスマートフォンなどのハードウェアにインストールされるソフトウェアや、インターネット上で利用できるアプリケーションなどを開発・販売する業界。
  • ハードウェア業界:パソコンやスマートフォンなどの機器や、その周辺機器や部品などを製造・販売する業界。
  • 通信業界:インターネットや電話などの通信サービスやインフラを提供する業界。

IT業界は、最新の技術やトレンドに敏感であり、常に変化し続けるダイナミックな業界です。そのため、IT業界で働く人は、自ら学び続ける姿勢や柔軟性が求められます。

データサイエンスとは

データサイエンスとは、多種多様なフォーマットで用意されたデータを分析および解析することによって「新しい価値」を創出する研究分野のことです。データを取り扱う科学のため、数学や情報科学、統計学などの技術がデータ収集や分析に応用されており、データを扱う人の解析力によって導かれる答えが変わります。

データサイエンスに期待されていることは、単なる研究や自社内での活用に終始するのではなく、蓄積したデータを社会実装し、環境問題や食糧問題などの社会的な課題解決が期待されています。また、データサイエンスはIT技術の発展にも大きく関わっており、機械学習やAI(人工知能)の分野でも役立っています。

データサイエンスについてまとめた記事はこちら

データサイエンスが伸びている理由

近年、データサイエンスに注目が集まっている大きな要因は2つあります。

  1. ビッグデータが蓄積されやすくなった
  2. データの活用で大きな利益が期待できる

ビッグデータが蓄積されやすくなった

インターネットやスマートフォンの普及に伴い、事業に役立つ知見を導き出すために活用できるビッグデータが蓄積しやすくなりました。

ビックデータとは、一般的な技術では管理できないデータを意味しており、データ量は数十テラバイトから数ペタバイトとなります。

また、ビックデータで蓄積される情報は、SNSなどのソーシャルメディアのデータやWebサイトに蓄積されたデータ、ECサイトなどで蓄積した顧客データ、サーバーで生成されたログデータなど多岐にわたります。

データの活用で大きな利益が期待できる

ビッグデータが蓄積しやすくなったことで、ユーザーの購買行動など売上に直結するデータや、製品生産ラインでの検査データなど、事業活動に役立つさまざまなデータの取得と解析が可能になりました。

目的に応じたデータを活用すれば、顧客の購買意欲を高める効果的なキャンペーンの実施や、品質トラブルの予兆管理をして早めの対策を行うことも可能です。データサイエンスによって、ビッグデータを既存の問題解決や新規サービスの展開に活用すれば、大きな利益が期待されます。

IT業界におけるデータサイエンスの位置付け

データサイエンスは、統計学をはじめとした多くの学問による研究結果、IT分野における新しい技術やツールなどが融合したものと言えます。

IT業界において、データサイエンスはビジネスに直結する重要な役割を担っています。データサイエンスを活用することで、以下のようなメリットが得られます。

  • ユーザーのニーズや行動を分析し、より効果的なマーケティングや商品開発ができる。
  • データから問題点や改善点を発見し、既存のプロセスやサービスを最適化できる。
  • データから新しい価値やビジネスモデルを創出できる。
  • データから将来の予測やシミュレーションができる。

IT業界では、データサイエンティストと呼ばれるデータサイエンスの専門家が活躍しています。データサイエンティストは、データの収集・分析・可視化・解釈・活用などを行い、ビジネス課題の解決や新規サービスの提案などを行います。データサイエンティストは、IT業界の中でも高い需要と高い報酬を得ている職種と言われています。

データサイエンティストになるためには?

データサイエンティストになるためには、以下のようなスキルや知識が必要です。

  • プログラミングスキル:データの収集や分析、可視化などを行うためには、PythonやRなどのプログラミング言語を使えることが必要です。また、SQLやNoSQLなどのデータベースや、HadoopやSparkなどのビッグデータ処理フレームワークも扱えると望ましいです。
  • 数学・統計学・機械学習の知識:データからインサイトを引き出すためには、数学や統計学の基礎知識が必要です。また、機械学習やAIの手法を理解し、適切に選択・実装できることも重要です。
  • ビジネス理解力:データサイエンスはビジネスに直結する分野であるため、自分が関わる業界や企業のビジネスモデルや課題を理解し、データから価値を創出できることが求められます。
  • コミュニケーションスキル:データサイエンティストは、クライアントやチームメンバーと協力しながらプロジェクトを進めることが多いため、コミュニケーションスキルが必要です。また、分析結果をわかりやすく伝えるプレゼンテーションスキルも重要です。

データサイエンティストになるためには、上記のようなスキルや知識を身につける必要がありますが、一朝一夕で習得できるものではありません。自ら積極的に学び続ける姿勢が大切です。また、実際にデータを扱って分析することで、自分の強みや弱みを見つけて改善することも重要です。

データサイエンティストの仕事内容や年収についてまとめた記事はこちら

まとめ

この記事では、データサイエンスとITについて説明しました。IT業界は情報技術を提供する業界であり、データサイエンスはその中でもビジネスに直結する重要な役割を担っています。

データサイエンスはビッグデータの蓄積と活用で大きな利益が期待される分野であり、データサイエンティストは高い需要と高い報酬を得ている職種です。

データサイエンティストになるためには、プログラミングスキルや数学・統計学・機械学習の知識などが必要ですが、それだけではなく、ビジネス理解力やコミュニケーションスキルも重要です。データサイエンティストは自ら学び続ける姿勢と実践力が求められる職種です。

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