データサイエンス×スポーツ ~スポーツ業界でのデータ分析の活用と可能性~
データサイエンスとは
まず、データサイエンスとは何でしょうか?データサイエンスとは、大量のデータから有用な知識や価値を抽出するための科学的な手法や技術のことです。データサイエンスには、統計学、機械学習、ビジュアライゼーション、プログラミングなどの分野が関わっています。
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データサイエンスは、近年、様々な業界や分野で注目されています。例えば、ビジネスでは、顧客のニーズや傾向を分析してマーケティングや商品開発に活用したり、医療では、患者の診断や治療に役立つ情報を提供したり、教育では、学習者の能力や進度を評価したりするなど、データサイエンスは多くの価値を生み出しています。
スポーツ業界でのデータ分析の活用
では、スポーツ業界では、どのようにデータ分析が活用されているのでしょうか?実は、スポーツ業界でもデータ分析は非常に重要な役割を果たしています。特に欧米では、スポーツアナリティクスと呼ばれる分野が確立されており、フォーブスというアメリカの経済雑誌によれば約40億ドル(約4400億円)の市場規模になると予測されています。
スポーツ業界でのデータ分析の活用には、大きく分けて以下の3つの目的があります。
1.競技力向上
最も直接的な目的は、競技力を向上させることです。選手やチームのパフォーマンスを詳細に計測し、そのデータを分析することで、強みや弱点を把握し、戦略やトレーニングを最適化することができます。また、対戦相手や試合環境に関するデータも利用して、勝率を高めることができます。
例えば、アメリカのプロバスケットボールリーグNBAでは、全てのチームに最低でも1人のスポーツアナリストが所属し、戦略やパフォーマンスの最適化を行っています。ウェアラブルデバイスを活用して個々の選手の健康情報を取得し、疲労度や怪我の予防なども行っています。また、選手のスカウト時にはその選手のこれまでのプレイ動画などを分析し将来性を予測し、高い契約金を支払って優秀な選手を獲得する上でのリスクを極力減らすなど、既にNBAではスポーツアナリティクスが必要不可欠な存在になっています。
2.収益最大化
次に、収益を最大化することも重要な目的です。スポーツ業界は、競技だけでなく、観客やファンにも多くの価値を提供しています。そのため、Webサイトの運営やオンラインでのグッズ販売、店舗販売の在庫管理、チケット価格の変動調整などにもデータ分析は利用されています。また、スポンサー向けに各試合の広告効果などを数字で示し、チームを売り込むためにデータ分析を活用しているケースもあります。
例えば、有名サーフブランドのRipcurlは、これまで社内で管理していたデータを全てクラウドに移行し、BIツールの活用などを始め、AIや機械学習も駆使し各店舗の売り上げデータやオペレーションなど管理の一元化・最適化に取り組み、データドリブンな企業へと変化を遂げています。
3.ギャンブル
最後に、競技をする側だけではなく、観る側もデータ分析を活用しています。特にギャンブルでは、データ分析スキルを持った人々がギャンブルによる一攫千金を夢見て、入手可能なデータを元に様々な手法・予測モデルを使いより高い勝率を目指し試行錯誤しています。その手法や結果についてブログで公開・考察している人も多くみかけます。日本でも既に、競馬や競艇といった公営ギャンブルにデータ分析を活用し勝敗を予測している人達がいます。
スポーツ業界で求められるデータサイエンティスト
以上のように、スポーツ業界では様々な目的でデータ分析が活用されていますが、その中で求められるデータサイエンティストとはどのような人材でしょうか?スポーツ業界で働くデータサイエンティストには、以下のようなスキルや資質が必要だと考えられます。
1.スポーツへの理解と興味
まずは、スポーツへの理解と興味があることが重要です。スポーツ業界では、競技やチームの特徴や歴史、ルールや戦術などの知識が必要です。また、スポーツへの情熱や愛着も大切です。自分が分析するスポーツに対して興味や関心が持てることで、より深く掘り下げて分析することができます。また、現場の人々とコミュニケーションする際にも共感や信頼を得る必要があります。
2.データ分析のスキルと経験
次に、データ分析のスキルと経験が必要です。スポーツ業界でのデータ分析は、一般的なビジネスや医療などとは異なる特徴や課題があります。例えば、スポーツのデータは、時系列性や空間性が強く、ノイズや欠損が多い場合があります。また、スポーツのデータは、人間の行動や感情に影響されるため、予測が難しい場合もあります。そのため、スポーツ業界でのデータ分析には、データの収集や前処理、分析や可視化、モデリングや評価などの一連のプロセスを適切に行うことができるスキルと経験が求められます。
3.コミュニケーションとビジネス理解力
最後に、コミュニケーションとビジネス理解力も重要です。スポーツ業界でのデータ分析は、単にデータを扱うだけではなく、そのデータを元に意思決定を行う人々に対して説得力や価値を伝えることができることが必要です。また、スポーツ業界のビジネスモデルや市場動向、競合状況などを理解し、その中でどのようにデータ分析を活用することができるかを考えることも必要です。
データサイエンスが向いている人ってどんな人?
まとめ
今回は、データサイエンスとスポーツの関係についてお話ししました。スポーツ業界では、様々な目的でデータ分析が活用されており、その中で求められるデータサイエンティストとはどのような人材かを考えました。スポーツ業界で働くデータサイエンティストには、スポーツへの理解と興味、データ分析のスキルと経験、コミュニケーションとビジネス理解力が必要だということがわかりました。
もし、あなたもスポーツ業界で働くデータサイエンティストに興味があるなら、ぜひこの記事を参考にしてみてください。そして、あなたの好きなスポーツに関するデータ分析を行ってみてください。きっと新しい発見や楽しさがあるはずです。
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